【解説】マーケットメーカーとは?|2つの取引方式と取引ロジックについて

【解説】マーケットメーカーとは?|2つの取引方式と取引ロジックについて

自動(bot)取引を行う際に出てくるキーワード「マーケットメーカー」とは一体どのようなものなのか、具体的にマーケットメーカーにはどのようなロジックが内蔵されているのかを詳しくご説明しています。


マーケットメーカーを知るための2つの取引方式

マーケットメーカーを理解するためには、金融関連の交換所(証券取引や為替取引も含む)における2種類の取引方法について知っておく必要があります。


1. マーケットメイク方式(スプレッド形式)
2. オークション方式


基本的に仮想通貨(暗号資産)取引をする際の「仮想通貨(暗号資産)交換業者」でも、このオークション方式とマーケットメーク方式の2種類のどちらかが採用されており、オークション形式を採用している交換業者を「取引所」、マーケットメーク方式を採用している交換業者を「販売所」と呼称しています。

マーケットメイク方式(スプレッド方式)

マーケットメイク方式(スプレッド方式)を採用しているサービスでは、取引仲介者(基本的には取引所運営者やその周辺業者)がユーザーの注文の相手方となり売買を成立させることになります。

一般的にはマーケットメイク方式を採用しているサービスを仮想通貨(暗号通貨)販売所と呼びます。

仮想通貨(暗号通貨)販売所の例
  • GMOコイン (取引所機能も有している)
  • DMM Bitcoin

マーケットメイク方式を採用しているサービスでは基本的に全ての売買注文に対して、注文の相手方が存在することになりますので、顧客はいつでも仮想通貨(暗号資産)の売買を行うことができます。

利用しているサービスが、それぞれの通貨について「売値」と「買値」を公開していて、基本的に売買の数量を指定するだけで注文できるようなサービスである場合、そのサービスは「マーケットメイク方式(スプレッド形式)を採用している」ということになります。

マーケットメイク方式(スプレッド方式)では、特に初心者には扱いが難しい通貨の値段設定などを気にすることなく取引を行うことができたり、基本的にどんなタイミングでも取引が約定されることが確定しているなど、利便性もある一方、売値と買値の差が大きく離れており、オークション形式に比べて購入時には高い値段、売却時には安い値段で取引を行うことになる、というような不便を被ることがあるので注意が必要です。

オークション方式について

対して、オークション形式を採用している交換業者は一般的に仮想通貨(暗号通貨)取引所と呼称されます。

オークション方式を採用しているサービス上では、例えばサービス上でビットコインの売買をする時、ビットコインを売りたい人はいくらで売りたいか、買いたい人はいくらで買いたいかを、それぞれビットコインの枚数と売買価格を指定して注文することになります。また、「オーダーブック」と呼ばれる注文のリストを見ながら、それぞれのユーザーはいくらでビットコインを買おうか、または売ろうかを考え意思決定することになります。

今使っているサービスが仮想通貨を売買する際に「指値注文」と「成行注文」が指定できたり、売買の価格を自由に設定できるのであれば、そのサービスは「オークション方式を採用している」ということになります。

オークション方式を採用している取引所は非常に多いですが、国内の代表的なサービスは以下になります。

仮想通貨(暗号通貨)取引所の例
  • bitbank
  • BITPoint
  • BitFlyerなど多数

オークション形式のサービスでの取引では、サービス自体はあくまで「取引をする場所」を提供しているだけで、売買が成立する際には、利用者同士の買い注文と売り注文がマッチングする必要があります。
*取引所自身、又はその関連会社が自己取引している場合もあります

なので、例えばとても多くの人が同じタイミングでビットコインを買いたいと思った場合、ビットコインを売る人が存在せずに取引が約定しないという自体が発生することも構造上発生します。

それでは「マーケットメーカー」とは何なのか?

金融取引に置けるマーケットメーカーの定義は(参照元によって多少の違いがありますが)以下のように表現されています。

マーケットメーカーとは、流動性を提供し金融市場がスムーズに機能することを目的に、特定の資産を大量に売買する市場参加者のことです。

上記の表現だと少し意味が広いのですが、具体的にマーケットメーカーは金融取引において以下の役割を担います。

マーケットメーカーの役割
  • 取引における適正価格を判断し、一般参加者の売買注文が適正価格に近づくように調整(呼び値を提示する)すること
  • 一般参加者の売買注文が約定しやすくなるように取引を仲介(相対取引を)すること

基本的に、上記した「マーケットメイク方式」と「オークション方式」のどちらにも(ほとんどの場合)マーケットメーカーは存在します。

「マーケットメイク方式」と「オークション方式」の大きな違いは、売買取引をする相手がマーケットメーカーのみであるのが「マーケットメイク方式」で、相手がマーケットメーカーと一般参加者どちらでもあり得るのが「オークション方式」ということになります。

特に利益を目的としたトレーディングを行う方々の間では、マーケットメーカーは「取引において利益を出すための取引ロジック」のような意味合いで使われているように散見しますが、本来の意味でのマーケットメイクは、売買価格が離れすぎていたり、板が薄すぎるなどの理由で取引が約定しないというような板取引に置ける不便を解消するための存在であることを念頭に置きましょう。

マーケットメーカーの取引ロジック

一般的なマーケットメーカーの取引ロジックは以下の流れで注文を行います。

一般的なマーケットメーカーの取引の流れ
  1. 板情報を参照し注文適正価格を判断する(簡単なものだと「最も安価な売注文と最も高価な買注文の間」など)
  2. 適正価格の周辺の数%はなれた価格にそれぞれ売注文と買注文の両方を指す
  3. 売注文と買注文が両方とも約定すれば差額が収益になる
マーケットメーカー, 自動取引 | bot取引

上記の取引の流れに沿って、具体的なマーケットメーカーの取引例を見てみましょう。

上の画像の「マーケットメーカー導入前」の時点では最も安いが売注文10,200、最も高い買い注文が9,800という価格でそれぞれ売注文と買注文が指されている状態です。単純な中心値を10,000と考えると4%程度のスプレッドが開いていることになります。一般的な板取引ではスプレッドが広く、取引参加者が売買取引しにくい状態と言えます。

ここでマーケットメーカーはこのスプレッドを狭めるような取引注文を指します。

この例「マーケットメーカー導入後」では売注文10,100、買注文が9,900にそれぞれ同じ1枚の注文を指しました。これによってこの板のスプレッドが2%に狭ばまり、先ほどに比べて取引参加者が売買取引しやすい状態になっています。

マーケットメーカー, 自動取引 | bot取引

マーケットメーカーは参加者の取引をスムーズにする存在と記載しましたが、同様にマーケットメーカも取引参加者ですから収益を上げなければいけません。マーケットメーカーが取りうる収益は上の画像に記載しています。

画像のように、マーケットメーカーが指した2つの注文(売注文と買注文)がその後約定されると、1枚9,900で仕入れた通貨が11,000円で売れたことになり、その差額「11,000 - 9,900 = 200」200の収益が発生したことになり、(スプレッド2%分のマーケットメーク収益と表現する)この収益がマーケットメーカー収益になります。

このように、マーケットメーカーの取引ロジックは、(売注文と買注文の差)スプレッドがそれなりに開いている板取引の市場において、スプレッドの内側に新しい売注文と買注文を同時に指して、その両方が約定した際の差額を取るというのが基本的な振る舞いです。

(マーケットメーカーの取引ロジックはこれまだ色々な種類が考案されており、上記とは異なるロジックで振る舞うものも存在しますが、上記が最も基本的なロジックと考えて問題ないと考えられます。)

更に詳しくロジックを知りたい方はこちら↓

【自動売買戦略「タルムード戦略」】ソースコードへのリンク有り|取引する度に資産数量が増える取引ロジック

https://ohmycrypto.news/articles/194

仮想通貨/暗号資産が開発される以前から金融の世界で利用されている売買戦略はいくつも存在しますが、今回本投稿で紹介させていただくのはその中の一つである「タルムード戦略」というものです。 ページ終盤にソースコードのページへのリンクもございますので、ぜひご回覧ください。

マーケットメーカー取引ロジックを使った仮想通貨自動(bot)取引

仮想通貨市場では、多くの取引所が取引APIを公開しています。

API(Application Programing Interface)とは、 サービス主体(この場合仮想通貨取引所)がユーザーに公開している「プログラミングされたソフトウェアによってサービスを利用するための仕組み」です。

これを使うことによって、取引を自動的に行う取引botを作成することができます。

FXや証券取引の世界では、これらのAPIが一般公開されることは非常に稀で、限られたユーザーのみしか自動(bot)取引を行うことができませんでしたので、自動(bot)取引は仮想通貨取引の醍醐味の1つとも言えるものです。

当サイトでもいくつかの仮想通貨取引所でのAPIの利用方法を紹介させていただきました。

bitbankで取得できる「API」とは? pythonを使った利用方法を解説!

https://ohmycrypto.news/articles/147

bitbankにはAPIという他のアプリケーションでも市場価格や自身の資産を閲覧したり取引を行うことが出来ます。本記事ではbitbank(ビットバンク)を使ったAPI連携の方法について解説しています。

bitFlyer(ビットフライヤー)でのAPI連携の方法を徹底解説!(Python編)

https://ohmycrypto.news/articles/170

bitFlyerにはAPIという他のアプリケーションでも市場価格や自身の資産を閲覧したり取引を行うことが出来る機能があります。本記事ではbitFlyer APIを使った連携の方法について解説しています。

特にマーケットメーカーの取引ロジックは、リアルタイムに板情報を監視し、売買注文を行う必要があるので、現実的には手動による注文で安定した収益をあげることは困難です。

取引所が公開しているAPIを利用して、上記した取引ロジックを組み込んだ自動取引botを作成し、コンピュータに取引をさせるのがマーケットメイキングの主流です。

マーケットメーカーはあくまでも「板取引の参加者の取引をスムーズにすること」を目的に運用されるべきものですが、実際には収益獲得を目的にマーケットメーカーを動かしている市場参加者も多く、実際に収益を上げているトレーダーも少なく無いようです。

まとめ

今、話題になっているマーケットメイカーですが、マーケットメイカー に内蔵されているロジックさえ分かってしまえば、オリジナルのマーケットメイカーを作成することも可能です。

一見難しそうに見えますが、簡単なプログラミングの知識だけで作成できますので、興味のある方は是非試してみてはいかがでしょうか。

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この投稿のライター

2018年から仮想通貨を勉強し始めた新参の仮想通貨ライターです。英語の記事翻訳が得意なので、まだ日本語化されていない最新情報を日本語で届けたいと思っています。

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